甘え とは何か?

甘え について広辞苑で調べてみると、こんな感じになっています。

あま・える【甘える】
自下一あま・ゆ(下二)
①甘みがある。甘たるくなる。源氏物語常夏「いと―・えたる薫物たきものの香を」
②恥かしく思う。きまりわるがる。てれる。源氏物語宿木「―・えて書かざらむもあやしければ」
③馴れ親しんでこびる。人の親切・好意を遠慮なく受け入れる。源氏物語賢木「かくのごと罪侍りとも、おぼし捨つまじきを頼みにて―・えて侍るなるべし」。「お言葉に―・えまして」
[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]

現代的な意味は、ちょっと違っていて、日本大百科全書(ニッポニカ)の解説によると、

対人関係で特別な、節度を超えた愛情や信頼を表現することをいう。愛情や信頼を示すことによって、相手からそれ以上のものを求めようとする態度のことも甘えといわれる。また、相手から圧力を受け、屈服を強いられるとき、その圧力を弱める手段としても使われ、道徳的な価値判断を超えて、許しを請う手段ともされる。

とされています。

ここから考えると、誰かに特別な愛情や親鸞を求める態度のことも甘えなので、その意味が使われることが多いように考えます。

「あいつ甘えてる」

とか言う言い方は、決していい意味ではなく、関係性を利用してメリット(相手の態度)を得ようとする行為です。

甘え はどこまで許されるのか?

甘えがどこまで許されるかというのは、関係性や状況によって変わってくるので一概には言えません。そういう意味では、甘えはケースバイケースと言うことになります。その境界線とか、状況によって違うと言うことです。そして、その境界線を理解する能力が現代では崩れています。個人差、多様性と言ってしまえばそれまでですが、これは個人だけの問題ではなく、関わりの問題だから余計ややこしくなります。

他人との関係。これは人間の永遠のテーマです。人のことは想像することはできても、100%同じことを理解することはできません。それは相手も同じです。自分のことを理解して欲しいと思っても、何も言わずに、あるいは自分でもわかっていない自分を理解してもらうことは不可能です。偶発的にそれに近いことが起こったとしても、永遠ではありません。

一定期間、それに近い状況が起こることはありますが、その関係が壊れ、同じものを他の人に求めてもそれは満たされません。そもそも得たいものが何であるのか、それはどう変化していくのか、誰にもわかりません。

なぜ、甘え たいのか?

甘えると言うのは過去の記憶から来ているのかもしれません。人は自分の知っていることで物事を考えます。甘えられない人は甘えた経験があまりなく、甘えた経験がある人はすぐに甘えたくなります。長女の人がよく頑張ってしまうのは、この辺に理由があることが推察されます。

人は甘えるを知ってしまうと、次も甘えますね。自分でやめない限り。それが社会的に無理な状況なら我慢して、持ち越します。どこかにだしたい、でも難しい。この連続で、甘えられるターゲットを見つけると、それが噴出します。

実際、甘える人は、いつも甘え先を探してダメな自分を見せつけています。我慢が効く人はまだそこまで行っていませんが、それがいいとも思えません。

甘え は治るか?

甘えは治るのか? 人の行動を考えた時、甘える以上の経験があればそれをしたいと思うように人はできています。つまり、人の喜びが甘えるよりも強い経験です。それは自分が役に立つという経験や、お母さんが自分がやらなくちゃって思う瞬間に感じることが多いようです。

そうするとそう言う経験を積むチャンスが来るのか、作れるのか。そう言うことがあれば変われるかと考えられます。チャンスという言葉を使いました。チャンスですから、それが訪れる時は人によってまちまちです。

ですが、チャンスは作れます。どういう意思を持ち行動するか、その結果です。

甘え との付き合い方

チャンス待ちであるとしたら、チャンスが来るまでどう、甘え と付き合うか? そういうことになりますが、ここで、悪い甘えを続けてきた人は、周りに迷惑をかけて人間関係を破綻させています。そういう甘え方ではなく、適度に自分の欲求を満たしつつ、周りとも調和するような甘えの仕方を実践していけば、問題の起こらない、ストレスの少ない甘え方ができるようになっていきます。

とは言え、甘えは決まった形もなく、相手によっても関わり方の深さが違います。そうすると、個別の関わり方ができるとしたらどうでしょうか? 問題の起こらない関わり方ですから、社会的問題は起こりません。そして、自分の中にある甘えたい気持ちを満たす方法を見つけたらどうでしょうか?

さらに、自分の中の甘えたい気持ちが小さくなり、日常の生活に支障をきたさない、人間関係を崩さなくなるように心がけができたらどうでしょうか?

甘え は、すぐにどうにかなるものではありません。

まずは付き合い方を変えて、トラブルにならないようにして、成長と共に変化させていくしかありません。いつか甘えなくなるかもしれませんが、甘える良さも多くの人は知っています。上手く付き合っていきましょう。